時間を売るな!

時間を売るな!

時間を売るな!

結構前にプロフェッショナルに出演されてて、その姿勢に感動して購入した本。実は読んだのは2回目。ザインエレクトロニクス株式会社という画像処理関連LSI?のデザイン会社の代表取締役。本の主なトピックは、時間とリーダー論の二つ。
まず時間について。時間とは感覚的に伸び縮みするものでスポンジに似ており、やり方次第でいくらでもその密度を増やせると。時給換算の考え方は時間の切り売りであり、もっと時間を能動的に使う姿勢を持ったほうが、人生楽しくなるよと説いている。で、その感覚的に密度を増やす著者なりの方法がいろいろ述べてある。しかし具体的なイメージがいま一つつかめなかった↓↓。
次にリーダー論。ベンチャーなので人材が肝になるわけだが、採用では「こいつと一緒に仕事がしたい!」のフィーリングが第一で、それを「数値的な材料で検証する」らしい。この考え方は他所でも結構よく目にして、例えば「お辞儀の角度などどうでもいい!」的な話は聞いたことある。また「仕事の成果を客観的に評価できるというのは幻想にすぎない」って書いてあって、これは金出先生の本にも書いてあったね。オレもそう思う。「金できたものは金で去る」は、藤田社長の本に同じことが書いてあった。考え方がみんな似てるね。また「リーダーは暇であるべし」に凄く共感。突然のチャンスやピンチを拾うにはリーダーが暇でなければならないと、これはなるほどな説明だった。
そのほか共感した部分は、「金は無理が利くが、人は無理が利かない」、「チームが成長すれば、相性の良い人が集まってくる」、「ビジネスの世界は戦国時代とさして変わらない」、「クレナイ人・指示待ち族・不満人」、「リアルに物事を考える人は安易にイエスと言わない」、「朝令暮改を躊躇するな」、「フェアな環境が人を燃やす」、「博士号まで取ったのはキャリア選択のための執行猶予」、「次世代への継承をなしえてはじめてよく生きたと言える」など。
個人的にもう少し本を推敲できるんじゃないかと感じるところもあったけど、内容は面白かった。研究分野も比較的オレと近いので、そのあたりも親近感が湧いたかな。あとがきに書いてあったのだが、社歴が100年以上の老舗が、日本には3000社、ドイツには800社、アメリカや中国には一桁か二桁とのこと。それ読んで、やはり日本という環境は特殊だなーって感じた。だからこそ国内と国外をうまく橋渡しできるような、そんな人材に将来なりたいわー。