英語「なるほど!」ライティング

英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ

英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ

神書です。実はだいぶ前に読んだ本なのですが、良書にもかかわらず書評を書き忘れていたので、再度読みなおして書評を書きました。以前読んだあとも多くの人に宣伝しましたが、今回読み返してみて・・・やっぱり未だにオススメしたい本ですね。Amazonの高評価は伊達じゃありません。
このライティング本の流れは、まず「良き英文とはどういうものか?」を定義して、「その条件を達成するためのテクニック」を述べる、ひたすらコレに尽きます。その良き英文の定義とやらはとても明瞭で「より少ない語数でより多くの内容を伝える文(語数が同じならより具体性のある情報量の多い文)」としています。そしてこの判断基準をクリアするためのテクとして、例えば「積極的に能動表現を使う(安易に受動表現を使わない)」「できる限り肯定形を使う(notを使わない)」などを挙げています。この説明だけでも、著者らの言いたいことの7割はカバーしてると個人的には思います。終始一貫して「どうすれば文がより引き締まるか?」を追求してるだけです。ひたすらこのスタイルです。間違っても実用表現がズラズラ〜っていう類の本ではありません(そういう部分もややありますが、それはこの本の真髄ではないハズ)。
自分は仕事柄、英語で論文を書くことが多々あるわけですが、この本を読む以前は書いては消し書いては消しを繰り返していました。理由は単純で「こっちの文とこっちの文のどっちがベターなのか分からない」から。暗闇で右往左往する迷える子羊状態だったわけです。なので推敲といえば「あーこの表現使っちゃったから今度はこっち使おう♪」とかいうレベルで、それでも同じような接続詞(的な副詞)が何度も表れ、何度遂行しても自身で満足できるレベルに達せず。。。しかし、これを読んでからは変わりました(なんかTVショッピングみたいになってきたなw)。どちらの英文がよりベターなのか判断できるようになったので、推敲は機能するようになり、接続詞(副詞)の乱用が減り、論文はよりタイトになり、執筆時間も短くなり、なんといっても自信を持って英文を書くようになりました。
一点だけ、本の後半のPREP法のところだけ個人的に思うところがあるのですが、これはまた別のエントリで述べることにします。PREP法そのものはエッセイライティング手法の基礎中の基礎ですので、知っておいて損はないです。TOEFLなんかもPREP法前提で出題してるはずですし。
研究室にコレが一冊あるだけで英語論文執筆で救われる理系大学院生は多いはずです。先生の小言や添削も減るかと思います。ぜひあなたの研究室にも一冊!(笑)。