オレの英会話を助けてくれた能動と受動

今日は友人と(一方的に)英会話について談義をしまして、オレの英会話時の思考方法に感心してくれましたので、それについて書いてみました。実は以前ブログに書いたことなので、ここに修正を施して再掲します。かなり初歩中の初歩のことなので、英会話が得意な人は読まないでください(笑)。あくまで「英語なんて読めはするけどサッパリ喋れない!」という人の、最初の一歩のブレイクスルー的なのになればと思って書いてます。
オレの英会話での最初のブレイクスルーは、「○○を□□する」と表現しなければならない状況が実生活では非常に多い!ということに気付いたことでした。

Sが見つからない症候群

日本語と英語の大きな違いに「SOV」と「SVO」の語順の違いがあります。しかし語順が逆と言っても、両方ともS(主語)が頭にくるのは一致してます。なので英語を喋る場合でも、日本語と同じで主語を最初に言っちゃえばいいわけです。まずここが重要。これで自分の発言の初速度が、かなり向上すると思います。
・・・しかしこれだけだと不十分で、自分は簡単に発言が破綻しました。それはなぜか??。単純に「主語がどれか分からない」のです(orz)。もちろん「これはペンです。」くらいなら瞬時に分かりますけど、「つまりね、まずこのベクトルをこのグループに割り当てるの。」って言いたいのに、何が主語なのかサッパリ分からず破綻するわけです。

Sではなく大事なことを最初に言う

先ほどの文から余計なものを除いた、次の文を伝えたい文だとしましょう。

このベクトルを このグループに 割り当てる。

ここであえて主語のことを忘れます。そして、私達は別に主語を最初に言おうと意識はしておらず、むしろ大事なことを最初に言おうと意識してると考えを改めます。なおかつ、これは日本語でも英語でも共通の意識とします(実際ほとんど共通だと思います)。
で、話者はまず最初に「このベクトル」と日本語でイメージしたわけですから、それをそのまま英語で喋ります。つまり「this vector」と口走るわけです。

こっから生きてくる能動・受動

もう言っちゃいました。今さら発言を引っ込めることはできません。逃げれませんので、前を見て突き進みましょう(←冗談っぽく言ってますがとても重要なことですよ)。
次に考えることが英語的で非常に重要です。それは「じゃあそれ(this vector)はどうするの??」ってことです。この場合「割り当てられる=be assigned」になります。「this vector」は「割り当てる」んじゃなくて「割り当てられる」ってとこに注意です。ここがめっちゃ大事なのでもう一回。this vectorそのものが動くのか(能動)、this vectorがよぉ分からん何かによって動かされるのか(受動)、このイメージを形にするわけです。この場合、this vectorが自身が割り当てようとするわけではないので受動になります。
この節で言いたかったのは、「主語は何?」って考えるよりも、たまたま最初に言った言葉が主語(〜は、〜が)だったら「do」、目的語(〜を、〜に)だったら「be done」としたほうが、脳内のリソースを余計に消費しなくて済むよ、ってことです。英文法的には超初歩で当たり前なことなのですが、この話の簡略化が英会話において何度オレを救ってくれたか分かりません。

意味のある文にするために熟語がある

で、実際問題「割り当てられるよ」って言われても、「は??」って感じてしまいます。なぜなら、ちゃんと何に割り当てられるのかを説明しないと、文として不完全で意味不明だからです。そこで「to this group」と付け加えます。まとめると↓のようになります。

This vector / is assigned / to this group.

さて、このとき重要なのが「assign」と「to」の繋がりです。言うまでもなく、英語の動詞と前置詞は密接な繋がりを持ったパターンが多数あります。上記の「assign A to B」の他に、例えば「divide A into B」やら「describe A as B」やらがあります。前置詞はないですが「make A B」などの使役動詞・知覚動詞もその範疇です。同じ前置詞を使うパターンはだいたい同じニュアンスを持っています。例えば「into」(divide,split,classify)だとAをB個に分ける感じ、「as」(describe,regard,consider)だとAとBが重なる感じ、っていう具合ですね。
こういう動詞と前置詞の繋がりはとても重要なので、TOEICでもこれを問う問題は多数出てます。動詞を覚えるときは意味だけでなく、むしろこういう繋がりを覚えなければ意味がないでしょう。「割り当てる=assign」とだけ覚えても、多くの場合で不完全な文にしかならず、↑の文を円滑に喋れないからです。*1

予測できること

このつながり達を習得すると先に何が来るか「予測」できるようになります。先を予測しながら読んでいくことで悩ましき返り読みが減り、聴き取り・読み取りが遥かに効率的になります。これは個人的に英語における超重要スキルだと考えてます。
例えば、上記のパターンを体が覚えておけば、「I'll assign ...」と来た時点で「おっと assign と言えば to だな!」と想像でき、toが来るまでを目的語と認識できますし、慣れてくれば例え関係代名詞が来ようとも、toが来た段階で「待望のtoがキター!」」って感じで、assignする先が何なのか分かるはずです。

ホントに必ず“to”が来るのか?

じゃあもし assign のあとに to が来なかったらどうしましょう。答えは簡単です。「は??」ってなります。それが正常な解釈だと思います。文は必要な要素を全て含んでないと通じないわけで、話者が「このベクトルは割り当てられるの」なんてニコニコして喋っても、聞いてるほうは意味不明です。そういうパターンを「どうしたらいいのか」って気にする必要がありません。もしそういう事態にあったら、「何に割り当てるの?(What is the vector assigned to?)」って聞けばいいのです。もちろん自明な場合は省略されるでしょうが、そういう場合は「は??」とはならないのでそもそも問題ありません。
自分は昔、こういう疑問がいつも浮かんでましたが、今考えたら単なる会話不足で、今考えれば「杞憂」でした(笑)。日本語でもそういうシチュエーションはたくさんありますよね。

英語の授業に思うこと

日本の英語の授業だと、常に完成系の英文を使って「これがV、これがOだ」って議論しますけど、それは無菌室すぎだろって思うんですよね。言葉ってのは必要に応じて、要素を付け加えたり、ニュアンスを変えたり、かなりフレキシブルに変化するものだと思います。さらに会話ってのは後戻りできない代物です。完成系で常に変化のない英文を相手に長い時間かけて分析しても、重要な前から組む感覚とか高速な応答はできないだろと思います。
英語の先生にはこういう会話志向の、文法だったり熟語だったりを積極的に取り入れて、恥をかきながらも面白くて楽しい授業をやってもらいたいものです。文法はとても大事ですが、文法を使って先を予測しましょう!っていう感覚を植えつけないと意味がないと思います。前から順序良く組み上げて行くための文法教育が必要だ!が今の自分のスタンスですね。

アクセサリ

こっからは余談ですが、先ほどの「be assigned」の項なんていろいろ遊べて楽しいです。例えば副詞の活用で「be automatically assigned(自動的に割り当てる)」とか、助動詞で「should be assigned(割り当てるべきなのに割り当ててない)」や、論文でよく見かける「can be assigned(割り当てることができる)」ってすれば、表現が豊かになって英語で話してる実感がみなぎってきます。服装で言うとアクセサリみたいなもんですね。この感覚がわかれば、関係代名詞もサラッと言えちゃう気がしてきます(が、オレはそこまで自信をもって到達しているとは言えませんww)。

いやー語学は楽しい

・・・なんか超低レベルなことを書いてしまいましたが、誰か一人でも「なるほどね☆」とか思ってくれると嬉しいです。というわけでTOEIC:580のwosugiがお送りしました(orz)。

*1:このあたり、前置詞ごとにまとめて覚えると楽です。個人的には『ALL IN ONE』という本をオススメします。